記事公開日
トラウマに苦しむあなたへ

外傷後ストレス障害は、災害、事故、犯罪被害、虐待、戦争体験など、強い精神的ショックとなる出来事を経験した後に発症する心の病です。
外傷後ストレス障害の症状は、フラッシュバック、不安、過覚醒、回避行動など多岐にわたり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
外傷後ストレス障害に苦しむ方が適切なサポートを受けることはとても重要ですが、どこに相談すれば良いか分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、外傷後ストレス障害の相談窓口について解説し、特に訪問看護がどのように役立つのかをご紹介します。
外傷後ストレス障害の方の相談先
外傷後ストレス障害の症状に悩んでいる場合、一人で抱え込まずに専門機関に相談することが大切です。以下のような相談先があります。
精神科・心療内科
外傷後ストレス障害の診断や治療を受けるためには、精神科や心療内科を受診するのが一般的です。
外傷後ストレス障害は、適切な治療を受けることで症状の軽減や克服が期待できます。早期の診断と治療は、症状改善のために非常に重要です。
精神科や心療内科では、医師が丁寧な問診と診断を行い、必要に応じて以下のような治療を提供します。
カウンセリング・心理療法
認知行動療法(CBT)やEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)など、トラウマに対処するための心理療法が行われます。
薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤などを必要に応じて処方し、症状の軽減を図ります。
環境調整のアドバイス
仕事や家庭生活でのストレスを軽減するためのアドバイスが受けられます。
専門機関への紹介
より専門的な内容が必要な場合、トラウマ専門クリニックやリハビリ施設への紹介が行われることもあります。
地域の保健所や精神保健福祉センター
各自治体には、保健所や精神保健福祉センターが設置されており、心の健康に関する相談を無料で受け付けています。
精神保健福祉士や臨床心理士などの専門の相談員が対応し、適切な支援先を紹介してくれることもあります。
相談内容に応じて、以下のような支援を受けることができます。
精神的な悩みの相談
→不安やストレスに対する相談や、対処方法のアドバイスを提供
医療機関や支援施設の紹介
→適切な精神科・心療内科の医療機関やカウンセリング施設を案内
生活支援のアドバイス
→職場復帰や日常生活の調整に関する支援
家族の相談
→外傷後ストレス障害の家族への影響や、家族としての対応方法についての助言
匿名で相談できる場合もあり、費用がかからないため、まずは気軽に問い合わせてみるのも良いでしょう。
市町村の福祉窓口
市町村の福祉窓口では、精神疾患を抱える方への支援制度や手続きの案内を行っています。
特に、経済的な支援や生活支援に関する制度を利用したい場合には、役立つ情報を得ることができます。
医療費の助成制度
→精神疾患の治療にかかる医療費を軽減する制度の申請方法を案内
障害者手帳の取得支援
→精神障害者保健福祉手帳の取得について相談可能
生活支援サービスの紹介
→障害福祉サービス、グループホーム、就労支援施設の利用方法を案内
介護保険や生活保護の申請サポート
→必要に応じて生活保護の相談や介護支援の情報提供を行う
市町村の福祉窓口は、外傷後ストレス障害を抱える方が社会的な支援を受けるための重要な相談窓口です。
生活上の困りごとや、利用できる制度についてなど、気軽に相談できます。
訪問看護ステーション
訪問看護は、外傷後ストレス障害を抱える方々にとって、心強いサポートとなるサービスです。
主治医の指示に基づき、医療機関への通院と並行して、ご自宅で専門的なケアを受けることができます。
特に、日常生活のサポートや精神的なケアを必要とされている方にとって、訪問看護は大きな助けとなるでしょう。
そもそも外傷後ストレス障害とは?
外傷後ストレス障害は、命に関わるような出来事や、強い恐怖を感じる体験をした後に発症する精神疾患です。
外傷後ストレス障害の症状は、トラウマとなる体験の直後に現れることもあれば、数ヶ月から数年後に発症することもあります。
適切な治療や支援を受けずに放置すると、長期にわたり生活の質が著しく低下する可能性があります。
早期に対応することが非常に重要であり、専門家のサポートを受けることで、回復の可能性を高めることができます。
発症の要因としては、自然災害、事故、戦争、虐待、暴力、犯罪被害などが挙げられます。外傷後ストレス障害の主な症状は、以下の4つあります。
フラッシュバック
トラウマ体験が突然よみがえり、強い恐怖や不安を感じる。映像や音、匂いなどの刺激によって引き起こされることがある。
回避行動
トラウマを思い出させる状況や場所、人を避ける。結果として、社会的な孤立につながることもある。
過覚醒
常に警戒している状態が続き、驚きやすくなる、怒りっぽくなる、睡眠障害や集中力の低下が起こる。
感情の麻痺
喜びや楽しさを感じにくくなる。無気力感や疎外感を抱くことが多く、対人関係にも影響を与える。
外傷後ストレス障害の方の訪問看護の活用について
外傷後ストレス障害の方にとって、訪問看護は支援手段の一つとなります。自宅での生活支援が必要な方に適したサービスです。
外傷後ストレス障害への訪問看護の有効性
訪問看護では、看護師や精神保健福祉士が自宅を訪れ、心身のケアを行います。訪問看護の有効性として、以下の点が挙げられます。
安心できる環境でケアを受けられる
→自宅というリラックスした環境でサポートを受けられる
継続的な見守りが可能
→定期的な訪問により、症状の変化を早期に把握できる
家族の負担を軽減
→家族だけでは対応が難しい精神的なケアを専門職が行う
医療機関との連携ができる
→主治医や関係機関と連携し、適切な治療を受けるサポートを行う
外傷後ストレス障害の方への訪問看護でできること
訪問看護では、以下のような支援を受けることが可能です。
症状の観察・アセスメント
→外傷後ストレス障害の症状や日常生活の状況を把握し、適切な対応を提案
服薬管理の支援
→薬の飲み忘れ防止や副作用の確認
心理的なサポート
→ストレス軽減のためのカウンセリングやリラクゼーション指導
生活リズムの調整
→睡眠や食事のサポート
家族への支援
→家族が外傷後ストレス障害について理解し、適切な対応ができるようアドバイス
訪問看護は、外傷後ストレス障害の方が安心して生活できるようサポートする重要なサービスです。
東京精神訪問看護ステーションのご紹介
東京精神訪問看護ステーションでは、精神科に特化した訪問看護を提供しており、適応障害の患者さんに対しても、一人ひとりの状態に合わせた訪問看護を提供しています。
看護師や精神保健福祉士などの専門スタッフがご自宅に伺い、日常生活のサポートから心のケアまで、様々な支援を包括的に行います。
ご本人だけでなく、ご家族の皆さまも安心して療養生活を送れるよう、様々な角度からサポートいたします。
訪問範囲
世田谷区 杉並区 渋谷区 中野区
※その他の地域の訪問看護についてはお問い合わせください。
まとめ
外傷後ストレス障害は、適切な支援を受けることで回復が期待できる病気です。一人で抱え込まず、専門機関や訪問看護などの支援をご活用ください。
訪問看護はご自宅で専門的なケアを受けられるため、自宅での生活支援を希望される方に適しています。
私たち東京精神訪問看護ステーションでは、外傷後ストレス障害の方々が地域社会で生活できるよう、専門的な知識と経験を持ったスタッフがサポートいたします。
お困りの際は、お気軽にご相談ください。

