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【 双極性障害の治療】気分の波を乗り越え安定した生活を送るためのヒント

双極性障害は、激しい気分の波に翻弄される精神疾患です。躁状態とよばれる異常な高揚感と、うつ状態とよばれる深い絶望感の両極端な症状を経験します。
日常生活に支障をきたし、周囲の人にも影響を与えるため、早期発見と適切な治療が重要です。
今回この記事では、双極性障害の治療について解説します。それぞれの症状に合わせた薬物療法や心理社会的療法に加え、近年注目を集めている訪問看護について、その役割と可能性についてもご紹介します。
双極性障害の治療目標
双極性障害の治療目標は、以下の3つです。
- 躁状態やうつ状態の症状を改善し、気分の安定を維持する
- 再発を予防する
- 社会生活や人間関係を良好に保つ
- 双極性障害の症状と診断
双極性障害には、主にI型とII型の2種類があります。
- 双極性障害Ⅰ型
・躁状態:異常な高揚感、多弁、活動過多、
怒りっぽい症状が現れる
・うつ状態:無気力、疲労、集中力低下、
睡眠障害などの症状が現れる
・躁状態は、日常生活に支障をきたすほど重症であることが特徴
・入院が必要になることもある
- 双極性障害Ⅱ型
・軽躁状態:躁状態ほど重症ではありませんが、
異常な高揚感、多弁、活動過多などの症状が現れる
・うつ状態:Ⅰ型と同様に、無気力、疲労、集中力低下
睡眠障害などの症状が現れる
・軽躁状態は、周囲から気づかれにくいこともある
・Ⅰ型よりも、うつ状態の方が長期間続く傾向がある - 双極性障害は、専門医による診断が必要です。問診や心理検査、血液検査などを総合的に判断し、診断されます。
双極性障害の治療法
双極性障害の治療には、主に薬物療法と心理社会的療法があります。
- 薬物療法
- 気分安定薬
躁状態やうつ状態の再発を予防する効果があります。
リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンなどが挙げられます。 - 抗精神病薬
躁状態の症状を抑える効果があります。 - 抗うつ薬
うつ状態の症状を抑える効果があります。
ただし、双極性障害患者に使用する場合には、躁状態を誘発するリスクがあるため、慎重な判断が必要です。 - 心理社会的療法
- 認知行動療法
思考や行動パターンを修正することで、症状の改善を目指す療法です。 - 対人関係療法
対人関係における問題を解決することで、症状の改善を目指す療法です。 - 家族療法
家族を巻き込み、患者と家族のコミュニケーションを改善することで、症状の改善を目指す療法です。 - 訪問看護の可能性
- 訪問看護は、医師の指示に基づき、看護師等が患者さんの自宅を訪問し、療養生活をサポートするサービスです。
- 双極性障害患者さんにとって、訪問看護は以下のようなメリットがあります。
- 薬の飲み忘れ防止
訪問看護師等が定期的に訪問し、服薬指導を行うことで、薬の飲み忘れを防止することができます。 - 症状の観察
訪問看護師等が定期的に訪問し、患者さんの症状を観察することで、早期に悪化の兆候を発見することができます。 - 生活リズムの改善
訪問看護師等が、患者さんや家族と協力しながら、規則正しい生活習慣の確立をサポートします。 - 社会復帰の支援
訪問看護師等は、患者さんが社会復帰に向けて必要なサポートを提供します。
治療を継続するためのポイント
双極性障害は、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたしてしまう可能性のある病気です。
しかし、適切な治療を継続することで、症状をコントロールし、社会生活を送ることを目指すことができます。
治療を継続するためには、以下のポイントを意識することが大切です。
- 医師や看護師の指示に従って、薬をきちんと服用する
- 定期的に診察を受ける
- 自分の体調や気分の変化を記録する
- ストレスを溜めないように、規則正しい生活を送る
- 家族や友人など、周囲の人からの理解とサポートを得る
東京精神訪問看護ステーションの特徴
東京精神訪問看護ステーションは、精神疾患に特化した訪問看護ステーションです。
統合失調症や摂食障害など、幅広い疾患を対象としており、利用者様が病気と付き合いながら自分らしい生活ができるよう、自主性を尊重した看護を提供しております。
また、病院や行政、在宅の各機関と連携し、情報を共有することで、それぞれの専門性を活かしながら、治療や社会復帰のサポートを行っています。
東京精神訪問看護ステーションは、訪問看護サービスを通して、利用者様の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
訪問範囲 世田谷区 杉並区 渋谷区 中野区
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